話すこと、聴いてもらうこと

 山口大学教育学部の押江隆先生は、不登校の子どもたちやその親御さんたちに寄り添う活動を続けておられます。
 7月に「映画プリズンサークルを見て語り合う会」を主催され、ご案内をいただきましたので、参加してきました。
映画は、浜田市にある「島根あさひ社会復帰促進センター」で行われている再犯防止ブログラムのドキュメンタリーでした。
この刑務所は、美祢社会復帰促進センターと同様、国の特定事業として、企業が運営しています。
再犯率を下げる取り組み、受刑者同士が対話通して自分の罪に向き合うプログラムを通して、自分に気づいていく様子が描かれていました。
 映画を観て、罪を犯す青少年たちが子どものころに虐待を受けていることがわかりました。
虐待は、空腹や痛みや恐怖だけでなく、自分の状況を忘れるために、自分の思いを封じ込めるために、心が健全に育つことを阻むこともわかりました。
 子どもたちは、ほんとうの気持ちを語ることで、自分自身を知り、人を理解することになります。
語る相手がいないこと、聴いてくれる人がいないことは、犯罪=相手を思いやれない行為につながりやすいのです。
私を含め、映画を観た人はみな、子どもの身近に、よく聴いて受け入れて必要なアドバイスをしてくれる大人が必要だと感じました。
子どもたちが幸せな人生を生きることができるように、子どもたちに自分の思いをしっかり話してもらいましょう。
そして、私たちは心こめて耳を傾け、その話を喜んで聴かせてもらいましょう。
たとえそれが誰かの悪口であっても、文句であっても、心を開いて語ってくれたことにまず「ありがとう!」です。
そのあと、「そう感じたんだね。嫌だったね。悲しかったね。」と子どもの気持ちをわかってあげましょう。
そして、どうしたらいいかを一緒に考えて行けるといいですね。
学校ではおしゃべりはあまりできませんが、学童であちらでもこちらでもおしゃべりし合い、自分を出し合う場であってほしいと願っています。